ロイ達三人はそれを見て、一瞬、肩を震わせた。
「どうしたの?」
アリネスはその様子を不思議そうな表情で見つめた。「い、いえ、何でも無いです…ははは…」
ロイとルイスは顔をひきつらせながら、全身に冷や汗を浮かべて、言った。
「…あの…リグラさん…は、ロバートの事を何か知っているのですか?」
リリーは少し躊躇いながらも、思い切って、ロバートの事を尋ねた。
「知っておる。わしの親友じゃったからのぉ」
リグラはそう言って、遠くを見つめるような目になった。
「…ロバートはあまり王宮護衛騎士となっていた時の事を、話したがらなかったんですが…何かあったのかなって…無理にとは言いませんけれど…何があったのか、教えて頂けませんか?」
「…そうじゃのぉ…」
リグラはしばし考えを巡らせてから、
「まあ、もう過ぎた事でもあるし、名誉も回復しておる。教えてしんぜよう」
と、にっこりと笑って、了承した。
「あ、ありがとうございます!」
リリーは喜んで、頭を下げた。
「時はおよそ三十年以上前の話になるかの。ロバートは当時、王宮護衛騎士の副隊長として、アリネス様の祖父、ガイアス様の側に支えていた」
「おじい様の?」