朝、染めし頃

朝顔  2006-05-29投稿
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満月の夜・・・生い茂る森の中・・・気まぐれな雲が・・・月の体を隠し会う。遠くで牙狼(きばおおかみ)の遠吠えが聞こえた。互いの声を伝え会う。木々は風に押されるがままにざわめき、青々とした葉が空を目指して飛び立った・・・。―――その時だった―――先程までは穏やかだった森が、急に暴れ始めた。風は無差別に自然の命を奪う。その風を起こした張本人が現れた。満月を覆い隠すように、その雄大な姿を見せる。両側いっぱいに広げた羽根が空を切り、不規則な風を次々に生み出していく−−−。「ようやくお出ましだゼ!」一斉に大岩の影から飛び出す。空に浮かぶ大きな影を見上げながら、その姿を追った。目標物が乱気流を避ける為、大きく呼応する。一瞬だけその動きを止め、空に留まった。その瞬間をアラタは見逃さない。「昂(すばる)!今だ!!」「おうヨ!」昴と呼ばれた少年の肩に乗っていた鷲が、目標物目掛けて飛び立つ。駿足を誇るその体は一気に目標物に追い付いた。昴は手のひらを広げたまま、右手を掲げた。「発火口(はっかこう)!」同時に右手を握る。すると鷲は、口から灼熱の炎を噴いた。その炎が目標物の羽根の一部を溶かす。その熱に気付いた目標物は羽根を大きく羽ばたかせた。



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