亜紀は大人だったから、子供みたいな僕に教えてくれた。
愛情は、相手の気持ちを考えてこそ、だってこと。
最初、僕はプレゼントをちょくちょく買っては亜紀にあげた。 部屋をシンプルにまとめ、綺麗好きな亜紀は、物が増えるのが嫌だってことをはっきりと教えてくれた。
そのかわり、一緒に見てた雑誌で何気なく可愛いって言ってた時計を、プレゼントした時の喜び様は忘れない。
小さな事だけど、僕は一つ大人になった。
亜紀の母親や、祖母への気持ち。そして父親に対する感情…。
亜紀の事を知ろうとすればするほど、僕は大人にならなければならなかったから。
よく観察して、相手の気持ちを知る事の大切さを学んだ。
もっともっと、喜ばせてあげたい。いつか亜紀を包み込めるような男になりたい。そう思った。でも…
僕は自分に頑固な一面があることも知った。いや、大人になりきれていなかったのかもしれない。それはやがて僕らの別れへとつながっていく…