そうでなくったって、僕が亜紀を好きな事は十分伝わってる。だから大丈夫。そう思ってた。
それが自分に自信のない奴の考え方なのだ。できちゃった婚が当たり前の昨今、はたから見ると、僕も古風な奴なのだろう。
だけど、亜紀は自分の事をどう思っている?僕が亜紀を好きな程、亜紀は僕を好きでいてくれるのだろうか?
それを確かめたいと思った。
いろんな方法があるのに…。
湯上りのいい匂いと、僕がいつも引き寄せられる亜紀独特のいい匂い…。そして水分をたくさん吸って柔らかそうな亜紀自身が、このとき僕を暴走させた。
素早く顔を近付けて、いきなりキスをした。
怒られるかと思った。拒絶されるかと思って心臓がバクバクしてた。頭が真っ白だった。
…何も起きなかった。黙って応じていた亜紀。びっくりした。目を閉じて、動かない亜紀。
愛しくて愛しくてしかたなくなりながら僕も亜紀を離さなかった。
それからの日々、僕らはよくキスをした。何度も何度も。
一生分のキスをしてしまおう。あの時はそんな風に思ってたから。
「これで亜紀は僕のものだ」
「私は私のものよ」
嬉しそうに笑いながらも、亜紀はそう言うのだ。そういう女性だった。