最初、僕は貪るように亜紀にキスをしてた。
「優しく、優しく、ね?」
亜紀にそう言われて、大事な花を傷付けないように、優しく優しくキスする事を知った。
柔らかい唇にそっと触れ、長い髪を撫でていた。顔にそっと触れて輪郭を確かめた。
本当に花を扱うようだった。
花の扱いも、最後にはだいぶうまくなったよね?
近くの海に行ったとき、
「何しよっか」
僕が聞くと、
「優しくキスしてほしいな…」
波の音で消えそうな小さな声だったけど、そう言った亜紀は珍しく僕の前で子供みたいだった。
海も横目に僕と亜紀はキスしつづけてたけど、僕は心の中で考えていた。
キスのギネス記録を作る大会に、亜紀と出てみようか、なんて…
いつまでもガキな奴、それが僕という男だ…。