「覚醒が終わってない?」
【あぁ…その上、あいつは今人間に姿を…】
「…どうしたんだよ」
【おかしい…山頂に「奴ら」がいるのは分かるが……俺等のすぐ近くに人間の気配を感じる…】
「…はい?」
【…ていうか…真上!?】
その瞬間だった。レンの目の前の坑道の天井から、剣が突き抜け、危うくレンに刺さる所だった。
そして、その剣が光を放ち、坑道の天井が崩れ、一人の男が落ちて来た。
「いって〜!……あれ?君達だれ?」
落ちて来た男は、明らかにレンより年上だが、まだ若く、25才辺りに見える。身長は、グランより少し高いくらいだ。服装は、一般の警察官の服を想像して欲しい。それが、対に赤くなったような感じで、ボタンは付いておらず、胸、肩、手の甲、足全体、腰の一部、背中に薄茶色の鎧を付け、腕には緑色に塗られた鎖帷子が付けられていた。そして、赤いマントと赤い鉢巻をしていた。顔つきはレンに似ていて、濃い灰色の瞳をしていた。
そんな男が、レンを見るやいなや不思議そうに尋ねてきたのだ。
「君達って…俺一人しか居ませんけど?」
「何言ってんだよ少年!腰にもう一人いるじゃん!」
男は、レンの肩をバシバシ叩きながら、笑ってそう言った。