「いや…それは知ってんだけどさ…」
レンはうつむいて、小声で言った。
「…は?知ってる?何で!?」
男は、心底驚いたようだ。
「何でって…こいつに聞いたから」
そう言いながら、レンはクザンを親指で指差した。
「あっ!少年にはそいつの声が聞こえるのね」
「そりゃ持ち主だし…ていうかこいつの声は限られた人にしか聞こえないんだ」
「俺に聞こえるようには出来ないのか?ていうかしてくれ」
シルと同じこと言ってるよ…
「出来ないこともないけど…」
あと二人までだし…
【おい…レン】
「何?」
【俺はお前に四人って言ったけどな……あれは嘘だ】
「はぁ?」
【…一応やろうと思えば何人にでも出来るんだけどさ〜……面倒くさくてさ〜…あはははははは!】
ブチッ
【ん?今何か音がしたような…】
ガシッ
【えっ?……………………………………ギャァァァァァァァァァァァァァァ!!】
クザンの悲鳴が坑道中に響き渡った。何があったのか、言うまでもないだろう。ただ、レンがキレた…とだけ、言っておこう。
「おぉ!聞こえる聞こえる!」
【…良かったな…】
「宜しくな!狗斬!」
【…は?】
「…へ?」