火山の溶岩が狗斬に集まっていく。当然柄より上の部分のみだが。集まった溶岩は一瞬で冷え、狗斬は巨大な岩石の剣と化した。まだ微妙に熱が残っているのか紅く発光している。こんな物で斬られたらひとたまりもないだろう。
レンはこれを盾にして雷牙を防ぎ、構えた。
【いつの間にこんな技を…】
「さっきとっさに思いついた」
【すげぇ!】
「だろ!?」
【よっしゃあ!ドラマチックに行くぜぇ!】
「…」
【…どした?】
レンはしばらく間を置いてから答えた。
「…重い」
【…ドンマイ】
火山の一角に冷たい風が吹いた。
「とばすぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
【その意気だ!】
【気を付けろ!アスカ!】
「分かってるって!」
「「くらいやがれ!」」
アスカの鳳凰刀と溶岩を纏う狗斬がぶつかり合う。最初は互角に見えたが、徐々に鳳凰刀が押されていく。
「なんつー威力だ!」
【おまけに熱い!】
「だが!」
【負けんぞ!】
【「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」】
「雷帝鳳凰!」
アスカの言葉と共に、有り得ないほどの雷が鳳凰刀を纏う。雷で、もはや鳳凰刀が見えない。雷は、柄より下にも纏われているが、アスカは平然としている。