彼は罪悪感を感じた。彼はそこまで、母親のことを忘れてしまったのだ。つまり、涙を流すに値しない存在、という訳だ。 彼は絶望しながら、「お母さん…」と声に出して母親を呼んだ。 すると不思議なことに、彼は悲しみが満ちてくるのを感じた。 「お母さん……」もう一度呼んでみる。今度は悔しさも一緒に溢れてくる。 彼は何度も母親を呼んだ。 次第に悲しみが止まらなくなり、彼は声を押し殺して泣いた。
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