僕の名前は藤岡 鳴海(ふじおか なるみ)。女の子のような名前だが男である…今まで通りに過ごしていた僕だったが、とある日を境に恐怖の連鎖に飲み込まれる事になってしまった…
僕は今まで通りに仕事を終え帰路に着いていたが、その帰路の途中で明らかに人間でない何かがいた。僕は気になり近付いたが近付いた瞬間に消えてしまった…それと同時に空気が歪んだような感覚に襲われ、気持ち悪くなってしまった。僕はすぐにその場を立ち去る事にした…家の前まで行くと郵便が届いていた。しかも、差出人が不明である。中を見てみたら大きな鏡だった…
僕は誰からの贈り物かは解らなかったが部屋に飾っておくことにした…僕は毎日忙しく慌ただしく動いていて、あまり鏡を見る機会はなかった。見なかった方が良かったのかもしれないが、その時の僕には解らなかった…僕はようやく休みが取れて家で寛いでいた。その時に鏡を見てみた僕は何か違和感を感じたが、何であるかがはっきり解らなかった…その夜に彼女と食事に行く予定だった僕は身嗜みをしっかりしようと鏡を見た時に、はっきりと昼間に感じた違和感が解った…
それは僕のしていることが鏡になっていなかった…それにまじまじと眺めてみると、僕の後ろにある家具も鏡になっていなかった。それどころか、木が腐敗したような家具が映し出されていた…驚いた僕は後ろを振り返ったが何も変わらない部屋…再度僕は鏡を見た時に動けなくなってしまった。鏡には僕でない何か…しかも、あの時に出会った人間でない何かが笑いながら僕を見ていた。鏡からまばゆい閃光が走った瞬間に僕は意識を失った…