夜闇

龍王  2006-05-30投稿
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深夜。

麻雀の罰ゲーム。
近くの神社にお参りに行く…が罰。

その神社は有名で、ワラ人形の呪いを実行する者が多数来ると言う噂だった。

今時ワラ人形って、と笑いながら聞いたのを覚えていた。
呪いでは極定番な話。
まさかマジに実行する奴がいるなんて思いもしなかった…





「ッ…ハァハァ……んっ」

息を切らし、木の陰に隠れている。
滝汗を流し、心臓は大きく音をたて脈打つ。
深夜の神社、見てはいけないものを見てしまった。

「……なん…あれ…マジかよ…」

サンダル履いた平凡な男はまばたきを忘れ、血の気も引き、蒼白な顔をしている。

男は顔を手で覆い、木にもたれ落ち着こうとしている。

「Σ!!」

ザクッザクッと葉の落ちた地面を踏み歩く音が聞え、男はビクッと身を強張らせると息を止め、木の陰から慎重に音の方に目を向けた。

「Σ!!!」

少し離れた向こうで、髪の長い女性が刃物を持って幽霊のように歩いていた。

後ろ髪を前に垂らし、猫背のように丸く背を曲げ、片手には刃物、もう片方には釘とハンマーを持っている。

夜の闇の中、女性は一歩一歩男に近付いてくる。ザクッザクッと踏み音が近付いてくる。
男は手を組み、息を殺す。

「……あぁ…見ぃつけたぁぁ…」

女性は男の隠れている木の手前で止まり、しゃがむと髪の毛を拾った。

「…フ…ハハ…ハハハハ…」

女は不気味に笑い声をあげると、拾った髪を舌で舐めニィィと笑い、男がいるのに気付かず姿を消した。

「ッハァハァハァ…」
充血した目、乱れたバサバサの髪、血のついた刃物。
男は不気味な女性に追い掛けられていた。
安心した男は息を乱し、一気に恐怖は絶頂に達し、そのまま意識を無くした。

女の笑い声を耳に残し…






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