沈黙は思っていた程なかった
『それでもいいです』と君が笑う
一瞬その意味を理解出来なかった
そう言った時の君の表情までは読み取れなかった
見てみたかった
電話を切った後
ようやく思考回路を巡らせた
あれも社交辞令か
それともただの冗談か
それとも本気なのか
真実は君にしか分からない
君に告げた
君がどう受け取ったのか
冗談混じりで伝えた僕の『好き』をどんなふうに聞いたのか
そして紛れも無い僕の事実をどう感じたのか
だったら僕はこれ以上の感情を抱いてはいけない
傷付けることは承知の上だ
君に溺れてはいけない
悪い男
軽い人
そんなふうに思われたくはない
こう思うのも自分勝手
もう手遅れ
この感情が誰に向けられているのか
誰にそう思われたくないのか
誰から自分を守ろうとしているのか
自分でも分からない
ただ歯止めが効くうちにこの恋から手を引こう
壊してはいけない物がある