翌日、翔人達の強い要望で体育館は使えることとなった。体育館には五人の姿があった。
「まずは、ドリブル練習だな・・」
「もしかして、マンガでよくあるアレか?」
修司がテンション高く大和に聞いた。大和は軽くうなずく。ドリブルの音が響き渡る。
「もう少し腰落とせ!!」大和の声にも熱が入る。
「やっぱバスケだな」
翔人が少し笑う。修司達も割と楽しそうだ。
「よし、あと一時間。」
翔人達の顔が一気に曇った。一時間後、四人はぐったりしていた。
「この練習をするのはたった三日間だ。」
「三日ですか?」翔人は大和に聞く。
「初心者は最低でも一週間はやらなきゃいけない。でも、三日間集中すれば身につくはずだ。」
「つまり、三日間必死でやりゃいけるってことだな?」修司の言葉に大和は力強くうなずいた。
それから三日間、五人は必死にやった。たまたま見に来ていた美咲は中宮と遭遇した。
「おっ、やってんな。」
「中宮先生、みんな真剣でしょ?」
美咲の問いに中宮は笑って答えた。
「あぁ、少なくとも遊びじゃねぇな。」
体育館を走る五人の姿は、動き始めた何かを感じさせていた。