変わらない日々…。｢変わらない｣じゃないかもな…。｢変えられなかった｣。そのほうが正しい。
今日も無駄に快晴だ。もっとも天気なんて気にしないけど。起きて、シャワーを浴びて、パンを食べて、歯を磨いて、ワックスで髪を整える。中学の頃からワックスは使っていたが、高一の今でもあまり上手くセットできない。だがセットしない髪より下手くそに盛った髪のほうがまだいいと思う。まわりもつけてるし。
｢行ってきます。｣｢いってらっしゃい。定期と鍵。もってる？｣｢もってるよ。ほら。じゃあ急ぐから｣乱暴にドアをあけマンションのエレベーターに急ぐ。毎朝恒例のやりとりだ。おれは一応小さい頃から家族とは仲良くしてるつもり。なにかのギャングドラマも、危ない仕事のパートナーは家族に限る、みたいなこといってたし。回りは親がうざいとかいうけど、おれにしてみれば、おまえらなんかより、本音をぶつけられる家族のほうが大切だとおもう。
学校までは２時間かかる。乗り換えは２回。おまけに最寄り駅から徒歩１５分かかる。野球部を中３でやめてから運動不足だ。だからこの１５分はつらい。姉ちゃんが買ってきたどっかのおっさんの軍隊式エクササイズはおもしろくないし、正直一日であきてしまったし。それにウチの学校は小学校から大学までエスカレーター式。高校から入ってきたおれは友達があまりいない。だから歩いていて内部が大勢で来ると対応に困る。まああいつらもはなしかけてこないし、こっちも楽でいいけどね。
暑い…地球温暖化も本当に進んでるんだな、なんて考えながら学校につくころには汗だくだ。教室のドアをあけると冷房のひんやりした空気と共に友人の挨拶がとんでくる。
｢よお〜相変わらず眠そうだな〜？昨日のaikoまじかわいくね？｣
｢おっすヴァーチェ！あぁあのヒラメオブヒラメ？｣
｢相変わらず眼がくさってんな〜｣
｢…Ｂ専｣
｢Ｂって美人のＢだろ？｣
めんどくさいやつだ…まあこいつは、裏表がないから嫌いじゃないけど。ちなみにヴァーチェってあだ名ね。ガンダムのデブなモビルスーツの名前。
嫌いなのはむしろこいつ…
｢やっぱガッキーだよな｣
｢ガッキーかわいいよな。あれ、でも庄司。おまえアンチガッキーだったろ？｣
｢かわいいもんはかわいいの｣
庄司。こいつはなんか気に食わない。
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