だが何も起こらないまま時が過ぎてある奇妙な体験をした。
それは僕が実家の福岡に帰っている時だった。
久しぶりに自分の地元の仲間達と会って、酒などのペースが上がってテンションも最高潮に達っしたときに尿意を催したのでトイレに行くことにした。
実家のトイレに行くのは少しだけ抵抗がある。
家の玄関を出て、そこから30メートル位先にトイレがある。
朝ならさほど答えないのだが夜はそうはいかない。
何てったって回りが怪しげな垂れかたをした木々がトイレまでの道のりに続いているからだ。
昔は怖くて仕方がない程の情けなさだったが、流石に僕も大人。
しかも酔っていては“鬼に金棒”気分。
《別に怖いものなど無いだろう》と気軽にトイレに近づいていった。
ー続くー