夕暮れ。
堕ちる、太陽。
手を繋いで、
抱きしめて、
ぎゅって。
花*ヒト。
海に、深く、埋もれる太陽。
あの太陽と一緒に、
彼女の白い腕が落ちた。
眠ってしまったかのように。
彼女を、
神様はどこか遠くに連れて行ってしまった。
冷たい彼女は、まるでお人形のようで、
なんだろう。
悲しかった。
確かにカタチは此処にいるのに、
此処に、彼女はいない。
ぎゅっ、て。
抱きしめた。
その身体が冷たかったから。
だから。
波音が、
耳鳴りのように、
ずっと、
鳴ってる。
「俺、幸せだったよ。」
泣き出すように、
掻き消すように、
何度も、口ずさんだ。
星空に、押しつぶされないように。
「ありがと、な。」
彼女の赤い唇に、そっと口付けた。
もしかしたら、
あそこで輝いてる星は、
きみかもしれない。