花*ヒト

ちさ。  2006-05-30投稿
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夕暮れ。
堕ちる、太陽。

手を繋いで、
抱きしめて、

ぎゅって。


花*ヒト。


海に、深く、埋もれる太陽。
あの太陽と一緒に、
彼女の白い腕が落ちた。

眠ってしまったかのように。

彼女を、
神様はどこか遠くに連れて行ってしまった。



冷たい彼女は、まるでお人形のようで、
なんだろう。
悲しかった。
確かにカタチは此処にいるのに、
此処に、彼女はいない。

ぎゅっ、て。
抱きしめた。
その身体が冷たかったから。
だから。

波音が、
耳鳴りのように、
ずっと、
鳴ってる。

「俺、幸せだったよ。」

泣き出すように、
掻き消すように、

何度も、口ずさんだ。




星空に、押しつぶされないように。
「ありがと、な。」
彼女の赤い唇に、そっと口付けた。


もしかしたら、
あそこで輝いてる星は、
きみかもしれない。



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