俺は目覚めた
そう、唐突に。
辺りを見渡してみる。
月明かりにだけしか差し込まないその部屋の隅にそいつはいた。
誰もが知っている。
そう、としまさだ。
としまさは平凡な家庭で産まれたなんとも面白くないまさに平凡なヤツ。
だが、そんな平凡なやつにも皆が共通して気にくわないことがあった。
あいつは卵焼きにトンカツソースをかけて食らうのだ。
その光景を目の当たりにしたよし子は怒りに満ちた。
普段は仏のような穏和な顔をしているよし子が般若のような形相に変わり、としまさの卵焼きにキューピーマヨネーズをぶっかけたのだ。
そんな屈辱を受けたとしまさは黙っちゃぁいない。
実家で良心市場を営むとしまさは腕力に自信があり、見事によし子を返り討ちにしたのだ。
としまさはは歓喜にうち震えた。
だが、その余韻も束の間、すぐに援軍がかけつけた。
さすがの良心市場を営んでかつ、腕力にあっても学校生徒1189人にゴブリン突撃部隊されては全くの無意味と化した。
そして俺はその突撃の波で足を絡ませ倒れ、踏んだくられて気を失ってたのだろう。
俺はゆっくりととしまさに近づいた。
いや、としまさはもうとしまさではない。
ただのモノと化していた。
だから俺はこう名付けたのだ。
たつひこ と…