ドサドサドサ!
すごい勢いでさっき俺がいたところに飛び込む男たち
「いって〜。アキラはどこに行きやがった!」
困惑する男たち
「俺はここだぁぁ!!」やっと自分の声に戻った声で叫ぶ。
男たちは一斉に血走った目を後ろに立つアキラに向ける。
「俺はぁぁ、男だぁぁぁ!!」
自分のワイシャツを両手で勢いよくひらく。
男たちはポカァーンとした表情で一点を凝視している。
僕は男たちの視線を追ってゾっとした。
なぜなら、生まれたままの姿で俺の腕をつかんでいる彼女がいたからだ。ヤバい…俺の本能がそう告げる。
俺は急いで彼女に俺のワイシャツを着せて手を引っ張り屋上を後にする。階段を降り始めたとき後ろから大声で俺の名を叫ぶ声がしたが無視。
彼女の手を必死に引っ張りながら階段を駆け降りているときに彼女が
「これからよろしくね…アキラくん…」
後ろを振り向かなくても分かる。
彼女は笑っていた。
俺は通じないのは分かっていたが、心の中で“よろしく”と思った。
この先いろいろと起こるがそれはまた別の話。