「あたしはあんまりミステリミステリしてるのは嫌いなんだよ。最近のは意味まで迷宮入りしちまってるからな」
「そうですか?僕はミステリしか読みませんからね。恋さんが好きなハッピーエンドとかはあんまり好きじゃないです」
「ばっかだなぁ、ハッピーエンド以外は物語じゃねぇよ。恋は実って悪は滅びるのが当たり前なんだよ。それがあ・た・り・ま・え」
「いささか乱暴だと思いますけど、、、まぁ恋さんが言うならそうなんでしょうよ」
僕としては後味の悪さなんかは結構好物なんだけど。
「それよか仕事はどうよ。順調か?」
「いや、あんまり上手くいってませんね。収入は低いですから家賃も危ういです。二ヶ月滞納してます」
「じゃあ、あたしの仕事手伝うか?半日で両手くらいは稼がせてやるよ」
「あ〜。内容次第ですかね。この前みたいな人死に的なのは勘弁です」
「今回は大丈夫だ。ちょっとした片付けだ。マンションの」
「それで両手ですか?ヤクザの片付けじゃないでしょうね」
「ハッハッハ・・・・・・、じゃあ明日9時な。支払いはまかしとけ」
といって席を立つ。
「ちょっ、待ってください!ヤクザは厳しいですって!恋さん!れんさーん!」
「ジャーニュー、女の子は早く帰れよー」
「余計じゃないけどお世話です!」
ただのお世話だ。