鬼のような形相のエリザベス。
ゆっくりとキャサリンに歩み寄って行く。
逃げようとキャサリンは向きを変えたが、エリザベスはサッと前に立ちはだかった。
そして、相手の首に手を掛けようとした。
キャサリンは素早く身をかわす。
だが、床に落ちていたクッションに足がつまずいて後ろへ転倒してしまう。
すると、エリザベスは仰向け状態のキャサリンの体に馬乗りになった。
暴れるキャサリンの両腕をガッシリと掴み、制止しようとする。
「助けてェッ!」
悲鳴上げるキャサリン。
「キャサリンの悲鳴じゃないか!」
居間でくつろいでいたマルスとマーベラが耳をすます。
「キャーッ!」
一段とカン高い悲鳴だ!
「アナタ、泥棒でも入ったんじゃない!?」
不安になるマーベラ。
「こんな寒い夜に泥棒かァ?」
マルスは急いで2階へと向かった。
エリザベスは必死になってキャサリンの口を手で押さえた。
更にエリザベスは、両手で相手を首を絞めようとした。…だが!
バタン!
ドアが開いてマルスが慌てて入って来た!
「キャサリン! どうしたッ!?」
「!?」
エリザベスはサッと顔を上げると、マルスと目が合った。
「な、何だコイツはッ!?」
目の前の怪しげな人物にマルスは仰天!
エリザベスは慌てて窓ガラスを突破って外へ飛び出して行った。
マルスが急いで外に出てみると、エリザベスが遠くの方へ全速力で走り去って行くのが見えた。
マルスは我が目を疑っていた。
人形が動くのを目の前でハッキリと見たからだ。
しばし呆然と見ていたマルスだが、直ぐに我に返った。
─キャサリンは!?─
キャサリンの様子を見てみる。
慌てて娘の側に駆け寄るマルス。
キャサリンは仰向けのまま意識を失っていた。
つづく