家に帰るなり
母はいつもより酒を飲んでいたせいかとてつもなく機嫌が悪そうだ。
『あんた…いっつも遅くまでどっか行って…誰のおかげでここまで育ってこれたんだぃ!』
母の言葉にあたしはキレた。あたしは母に何をしてもらったのだろう。
離婚してから満足に食べ物もお金も与えてもらえず
万引きを繰り返した。
見つかっては逃げ切りまた違う店をターゲットにする。
あたしはそんな日々を送ってきた。
『あんたに育ててもらった覚えなんかこれっぽっちもないね。』
その言葉に母は憎悪をうかべた。
そして…今までにないほど殴られた。
腹
顔
手
足
胸
そして髪をひっぱられた。
今までにない苦痛をあびた。
なぜあたしがこんな目に?
あたしが一度でも母に何かしたのだろうか。
あたしはつい
近くにあった花瓶で母の頭を……。
あたしは逃げた。
動かなくなった母を残し。
無我夢中で闇の道をかけぬけた。
でもどこに行けばいい?
あたしを必要としてくれる人なんかいない…。
あたしは一人ぼっち…。
そんな時
あたしはふと女の事を思い出した。
携番のかかれたくしゃくしゃになった紙をポケットから引きだし
電話をかけた…。
続。