マリーは妖精
僕の中では。
だけど
マリーはみんなに
こう言われてるんだ
「強がりで強欲なばあさん」
マリーは
あまり気にしてない
ようだったけど
僕は悲しかった
マリー
僕の妖精
マリーは
僕が
勉強が嫌になって
投げ出そうとしたとき
こう言った
「投げ出すなら勉強道具全部捨てなさい」
僕は
捨てられなかった
「それくらいの勇気がない人に勉強をやめる権利はないわ。今の時代勉強しないでどうやって生きるの」
マリーは美しい
顔にはたくさんの
シワがあるけど
とっても
美しいんだ
真実を恐れず
しっかりと
見ようとする眼が
とってもキレイなんだ
僕はマリーのところに
たくさん
遊びにいった
マリーみたいに
なりたかった
醜く争う人間たちを
寂しそうに見る
マリー
けれど
甘えた言葉は
口に出さない
マリーは
言った
「今の時代1番必要なものはお金なのよ」
そのあと小さく言う
「けど…1番愛すべきものは自分の中にいる妖精なんだよ」
僕はよく
意味がわからなかった
ただ
お花畑にいる
マリーは
妖精だった
お花畑を
自由に舞う
平和をこわす
人間にたいして
ちょっと
イタズラ心があるけど
美しい眼をもち
お花畑が
なくならないように
平和を望む
妖精
マリーは
ある日
僕の前からいなくなった
マリーは
お金持ちだったけど
そのお金を全部
お花畑にかえた
タダ同然のお墓は
お花畑の横
マリーは
きっと
本物の妖精になったんだなって思う