あなたの瞳はキレイな色をしていた。いつも頭上に浮かぶ真っ青な空を写していた。僕はそんな君の瞳が大好きだった。けれど君は僕にその瞳を見せてくれない。僕にだけ見せてくれなかった。だから僕は君がほしくなった。君のその瞳が。僕は君の瞳が欲しくて君から奪った。手を、足を、体を、そして命を。そしてようやく僕は君の真っ青な瞳を手に入れた。しかし、ようやく手に入れた。その瞳はかつての真っ青な色ではなかった。どんより曇った、曇り空の色をしていた。いや、だった。こんな瞳を見るのは嫌だった。だから僕はそれを潰した。するとそれは真っ黒になった。夜空みたいな。僕はもうそれを捨てた。
ふと空を見上げると夜空になっていた。瞳と同じ色だった。僕は空を見るのが嫌になって、死を選んだ。
空は僕が潰した瞳と同じようにいつまでも真っ黒な色をしていた。
壊したものはもう戻らない。