思ってないのに、いつもママなんて嫌い!パパが欲しい!私には思い出がないの!なんて駄々をこねる、ごめんね
そんなママが大切に大切に、宝物のようにしている壊れた携帯がある。これが謎なんだなぁ…
今日ママの帰りは遅い、今しかない! 写真立ての後ろにある傷だらけのシルバーの物体。
恐る恐るボタンを押してみる、偶然にも受信フォルダが開いた。動くじゃん!
そこには子供には恥ずかしい位の愛の言葉が…、キャー。
とりあえず1番新しいメール、といっても私が生まれてスグか…。
一緒に過ごせる時間はもう長くはないかもしれないねでも僕はとても幸せだったよ。
うわ〜、こりゃママの宝物だ、ごめん勝手に、でも最後まで…
君からたくさんの勇気をもらった。生きる希望を失っていた。そんな時、小さな宝物を神様がくれた。
…。
ありがとう、生まれてきてくれて。小さな君に僕は何度助けられたことか。これからは少し遠いところからママと君を助けたいと思う。本当に会えてよかった。
ガチャ、ママだ!
コラッ!、勝手に何を…
それ…見られたか…
そうよ、パパからの最後のメールは小さな娘へのラブレターよ、とママは笑って言った。