暫くその場にうずくまっていたあたしは、時間の流れと共に少しずつ呼吸の落ち着きを取り戻していった。
これって何?!
俗に言う過呼吸ってヤツ?!
まさか。
だってあれってこんな簡単に治まらないじゃん。
でも――
あたし、今本当に死んじゃうんじゃないかと思う位、息苦しかった。
こんな事初めてだよ。
何だろう。怖い。
また今みたいな発作が何時起こるかも分からない。
更に言い様のない不安と孤独感に襲われていくあたし。
最近、睡眠導入剤の使用頻度が増した様な気がする。
聖人と一緒にいたら、凄く安心して心が落ち着く筈なのに、
ここ最近のあたしは何かが変だ。
だって――
聖人と一緒にいたら何処か不安で、心も不安定になってるって気付いたから。
多分――
それはやっぱりあたしの中のあの“忌まわしい過去”の記憶のせい。
あたしが、まだ知らない聖人のコト、
これからいっぱいいっぱい知って行きたいなって思ってるし、
あたしも、聖人がまだ知らないあたしのコト、
これからいっぱいいっぱい知って欲しいって思ってるから。
だから――
あの“忌まわしい過去”の記憶が、あたしの中では凄く邪魔で、
鬱陶しくて――
結局あたしは、聖人にあたしの全てを知られるのが、あたしの全てをさらけ出すのが怖いんだ――
凄く――
怖いんだ―――