翌日…、
ルークは学校が終わるとシェリーと一緒にロバーツ家の自宅を訪れた。
ルークにとっては初めての自宅訪問。
だけど、深刻な事態になっているだけに気分が冴えない。
(こんな事態で、ガールフレンドの家を訪れる事になるなんて…)
─キャサリンが昨夜、自宅で強姦に襲われ、ショックで気を失っている─
シェリーがクラス担任から聞いた話しだ。
2人が邸宅を訪れてみると、キャサリンはリビングのソファに座っていた。
少しやつれた様子で、顔はうつむき加減。
ジッと、視線を一点の方向に向けたままである。
何度も話しかけても無反応だとマルスは説明する。
深刻な表情を見せるルーク。
「彼女はいつから、こんな状態に!?」
「今日の昼ぐらいからかな? それまでずっと、気を失っていたんだけどね。今じゃあ見ての通り、食事さえも殆とんど取らず…ずっと、こんな状態サ」
「っで、犯人はどんな人物だったんですか?」
マルスが答えようとした時、警察が来た。
「やあ、ルーク。来てたのか?」
何とモグレ警部である。
「モグレ警部、犯人は捕まったんでしょうか?」
「まだだよ。丁度、良かった。君に聞きたい事があるんだ」
この後、ルークは別室で1人、事情聴取を受け始めた。
1人残ったシェリーはその場に跪き、キャサリンの手を取った。
頬を撫でながら話しかける。
「私よ。分かる?」
「…」
反応ナシ。
「怖かったでしょう?
でも大丈夫よ。きっと、警察が犯人を捕まえてくれると思うから」
別室で…、
「ルーク、コレ見たまえ」
警部はビニール袋に入っている布キレを見せた。
「エリザベスが着ていたのと同じ種類の生地だ。
コレ、どこにあったんですか?」
「被害者の傍に落ちていたよ」
「犯人が着ていた衣類でしょうか?」
「恐らくね。父親のマルスさんによると、犯人はフランス人形のようなコスチュームを着ていたと言うんだ」
「エ!?」
驚くルーク。
「しかも犯人は、君の恋人だと言っていたらしい」
「…」
「若い女性の声で喋っていたと言うから、犯人は君と同年代の女性だと見てイイだろう。
そこで君に質問する。
犯人に心当たりはないかね? 何でもイイ」
「犯人は恐らく…、エリザベスです」
つづく