二人は走るスピードを上げた。二人の考えの答えが“公園で必ず爆発する”と、いう最悪のケースに容易にたどり着けたからだ
「こうなったら、なるべく上空へ飛ばして爆発させるしかない!」
ダルは啖呵を切るような言い方をした。焦ってるからだろう。が、やはり人が多過ぎて上手く前に進めなかった
それでも何とかラジコンで遊んでいる少年達にたどり着くと
「悪い坊主!リモコン借りるぞ」
着くと同時にリモコンを子供からひったくった
「あぁ!兄ちゃん何するん!?」
当然少年は怒って来るが
「ゴメンよ。これで新しいのを買ってね。ダル!早く高度を上げて!」
エドが子供に適当にポッケからお金を渡してなだめ、ダルに促すと
「分かっている」
ダルが、力強くレバーを引く。ドンドン高く上がって行く飛行機………だが!
バキッと嫌な音が周囲にハッキリと聞えた
「あ″っ」
断末魔的声がエドの耳に入って来た
「もっもしもしダル君?もっもしかして………」
珍しくエドの声が引きつってる
「レッレバー折れた」
なんと、リモコンの上昇レバーが折れて使い物になってしまったのだ!しかも段々高度が落ちてきてる
「何だって!?」
エドが頭を抑えると、ダルは必死に対策を考えた。そして
「まだ手はある」
ダルが閃くと、河に向かって飛行機を操作した。まだ、左右の動きのレバーは壊れていなかったからだ
「そうか!河の中で爆発させるんだな。だが、反対側にも人はいるぞ」
「丁度真ん中に落とす」
ダルは簡潔に答える。ダルの考えを理解したエドは大きな声を出して
「みんなぁ!すぐに河から離れろぉ!!」
と、言ったがみんなエドを変人扱いしてその場を離れなかった
チッと舌打ちするエド。ダルもこれ以上どうすれば良いのが分らなかった。いくら河で爆発させても爆風は完全に相殺出来ない
(これは、なるべく使いたく無かったが……)
エドが腰に手を伸ばしながら思った時だった
「あれ?」
ダルの変な声が聞えてきた
「どうしたんだ?」
エドが聞くと
「操縦が効かない」
ダルの乾いた声……爆弾発言が聞えてきたのだ!!