AIT#10

速見  2008-08-08投稿
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二人は走るスピードを上げた。二人の考えの答えが“公園で必ず爆発する”と、いう最悪のケースに容易にたどり着けたからだ

「こうなったら、なるべく上空へ飛ばして爆発させるしかない!」

ダルは啖呵を切るような言い方をした。焦ってるからだろう。が、やはり人が多過ぎて上手く前に進めなかった
それでも何とかラジコンで遊んでいる少年達にたどり着くと

「悪い坊主!リモコン借りるぞ」

着くと同時にリモコンを子供からひったくった

「あぁ!兄ちゃん何するん!?」

当然少年は怒って来るが

「ゴメンよ。これで新しいのを買ってね。ダル!早く高度を上げて!」

エドが子供に適当にポッケからお金を渡してなだめ、ダルに促すと

「分かっている」

ダルが、力強くレバーを引く。ドンドン高く上がって行く飛行機………だが!


バキッと嫌な音が周囲にハッキリと聞えた

「あ″っ」

断末魔的声がエドの耳に入って来た

「もっもしもしダル君?もっもしかして………」

珍しくエドの声が引きつってる

「レッレバー折れた」

なんと、リモコンの上昇レバーが折れて使い物になってしまったのだ!しかも段々高度が落ちてきてる

「何だって!?」

エドが頭を抑えると、ダルは必死に対策を考えた。そして

「まだ手はある」

ダルが閃くと、河に向かって飛行機を操作した。まだ、左右の動きのレバーは壊れていなかったからだ

「そうか!河の中で爆発させるんだな。だが、反対側にも人はいるぞ」

「丁度真ん中に落とす」

ダルは簡潔に答える。ダルの考えを理解したエドは大きな声を出して

「みんなぁ!すぐに河から離れろぉ!!」

と、言ったがみんなエドを変人扱いしてその場を離れなかった

チッと舌打ちするエド。ダルもこれ以上どうすれば良いのが分らなかった。いくら河で爆発させても爆風は完全に相殺出来ない

(これは、なるべく使いたく無かったが……)

エドが腰に手を伸ばしながら思った時だった

「あれ?」

ダルの変な声が聞えてきた

「どうしたんだ?」

エドが聞くと

「操縦が効かない」

ダルの乾いた声……爆弾発言が聞えてきたのだ!!


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