数ヶ月前、僕は何もかも失ったと思った。
でも、新たに一歩踏み出す勇気を思わぬ形で与えられた。
こんな…こんな僕を頼ってくれる人がいる。僕にも守れる人がいる。
亜紀への思いを一生引きずって、傷付いた思いで過ごさなければならないと思ってた。
でも、ゆっくりと癒せるのかもしれない。傷付いた者同士、お互いをいたわりながらゆっくりと。
二人で前に進んで行けるかもしれない。
僕は彼女を、守るんだ!
「僕も。瞳の事好きだよ」
なぜか亜紀の顔が浮かんだ。
瞳は嬉しそうに微笑む。
それから僕らは付き合うことになった。
なんだか、心に引っ掛かるものがありながら…。瞳は心に傷を抱えていたから、そんな事は決して匂わせなかったけど。
瞳との日々は楽しかった。誰かに愛される。好きで好きでたまらないという感情を示されるのは、とても幸せだった。
亜紀も恐らく僕に対してそう感じていたのかな。瞳に申し訳ない気持ちでそう思っていた。
僕は、瞳を想いながらも恐れていた。
亜紀との再会を…。
そして亜紀と出会って三年目の夏。亜紀は再び僕の前に現れたのだった。