奈央と出会えたから。<189>

麻呂  2008-08-09投稿
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大晦日の過ごし方については、特に聖人と話していなかった。



あたしは毎年大晦日は家で静かに過ごしていた。



今年の初詣は、年が明けて直ぐに、母と2人で近くの神社までお参りに行ったっけ。



お賽銭を投げて、小学校生活最後のお願い事をしたのを覚えている。



―お母さんとあたしにとって、今年も良い年であります様に――



って。



来年は多分、お母さんが忙しいし、行けないかもなぁ。





ブー‥ブー‥ブー‥‥。



その時、あたしのマナーモードの携帯が鳴り響いた。



《奈央。何してた?》



あは。やっぱ聖人からだ。



《大掃除してた。聖人は?!》



あたしも直ぐに返信。



《俺?!親父の酒の相手。親父はもう正月休みで、家にいるからよ。》



ひぇっっ。



お酒の相手って。



こんな昼間から?!


まさか聖人まで、飲んでるなんて言わないわよね?!



《聖人も飲んでるの?!》



《まさか。んな飲んでねぇよ。アホかっっ!!》



《あは。そうだよね。》



《うちの親父に奈央のコト話したらよ、今度会わせろって言うんだよな。》



聖人のお父さん‥‥が?!



あたしに会いたいって‥‥言ってくれてる?!



聖人のお父さんて、どんな人だろ。



元走り屋だって言ってたわよね。



怖そうな人なのかな。



《うん。じゃあ今度‥‥聖人のお父さんに、あたしを紹介してくださいっっ。》


ドキドキドキドキ‥‥‥。



こんなメールのやり取りだけの筈なのに――



“ドキドキ”が少しずつ、大きくなってくる。





《じゃあ 今日は???俺ん家来ない?!》

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