「ねぇなにしてんのぉ?」
小さい女の子は俺とアルフレットの顔を交互に覗き込んでくる。
「キミィ、邪魔をしないでくれるかなぁ!」
アルフレットが女の子に向かって声をはりあげた。
女の子は眼鏡の奥に見える大きな目をパチパチさせてアルフレットを見た。アルフレットは言葉を続ける。
「今からこの無礼者に正義の鉄槌を喰らわせるのだから!」
アルフレットは息巻いているが、俺は一切関わりたくはない。…無視だな…俺の結論を出し顔を背けると女の子の顔が目の前に、そしてただ見つめてくる。
「………」
「なに?」
無言に耐えられず声をかけると女の子の口が開いた。
「君…悪者なの?」
「………?」
意味がわからず脳が勝手に考えるのを辞めてしまったその雰囲気を解ってくれたようで…
「だってそっちの彼が正義の鉄槌だって…先生に話してみなよぉ」
「そんなもんあの馬鹿貴族がいちゃもん付けてからんできたっ…て…?」
「またいったなぁ馬鹿貴族とぉ!…?」
「……………」
「せっせんせい〜!」
教室中の皆が度肝ぬかれて一斉に声をはりあげた。
自称先生は張り上げられた声に動じる事なく視線を向ける