えぇ〜〜〜っっ!?
“俺ん家来ない?!”
だなんて。
そんな‥いきなり言われても。
あたしだって‥‥心の準備が‥‥‥。
聖人ってば、やっぱこういう所が強引。
でも、ホントどうしよう。
まだ大掃除だって終わってないし。
今日は、お母さんも早めに帰って来るって言ってたし。
でも‥‥。
あたしも会いたい‥‥‥。
あたしも聖人に会いたいよぉ‥‥‥。
そうだっっ!!
大掃除は、手早く午前中に終わらせて、午後からなら‥‥なんとか。
お母さんにもメールで伝えればいいよね。
聖人の家へ行って来るねって。
クリスマスパーティーの時、母は初めて聖人に会って、聖人に対して抱いていた思いは誤解だったって、
あたしに“ごめんね”って謝ってくれた。
そして、聖人のコトをとても気に入ってくれたんだ。
だから、これから聖人の家へ行って来ると言っても、母は絶対反対はしないと思った。
でも――
《うん。午後からなら大丈夫だよ。》
母にメールする前に、聖人に返信してしまうあたしって‥‥‥。
最初から“行く気満々じゃん”って思った。
だって、聖人に早く会いたかったから。
《じゃ。そぉいうコトで。後でまた俺からメールする。》
* * * * * *
母に聖人の家へ行く事をメールで告げると、早速こんな返事が来た。
《奈央。聖人君のお家へ行く時、母さんが今朝作った“旨煮”と“黒豆”を少し持って行ってあげなさい。》
そっか。
そうだよね。
全然気が付かなかった。
聖人は、お父さんと2人暮らしなんだよね。
あたしの母が作った“お袋の味”――
聖人と聖人のお父さんは、美味しいって言ってくれるかな。
クリスマスパーティーから一週間ぶりに聖人に会える。
早く会いたいよぉ‥‥‥。
聖人に早く会いたいケド、
聖人のお父さんには初めて会うから、
緊張するよぉ〜〜!!
ドキドキドキドキ‥‥‥。
あたしは、早く聖人に会いたい気持ちと、
聖人のお父さんに初めて会う緊張で、
カチンコチンだった。