?崖淵斜陽館?

亜樹  2006-05-31投稿
閲覧数[617] 良い投票[0] 悪い投票[0]

ここは、魔物が住まう崖淵斜陽館と申します。
今宵の、お客様は『鏡』でございます。
いかなる不思議がおこりますやら、又後でお会いしましょう。


一人の若い女性が、通された、明るい部屋には、洒落た年代物の彫刻が施された、鏡が、窓際に置かれていた。

「素敵な鏡ね、彫刻に何か、文字らしき物が彫ってあるわ。」

確かに記号の様な文字みたいな、しかし読めないのです。

「しかし、私って…」

彼女は、鏡を見るのが好きと言うより、自分に魅せられているのです。

舞ってみたり、振り返ってみたりと、長い時間を鏡と過ごしてしまった。

「もうすぐディナーの時間ね」

「そうね、でも、後少し見ていたいわ。」と鏡の中の彼女が、話かけてきたではないか。

流石に彼女は、硬直したが、何が起こって居るのか、鏡を恐る恐る覗きこんだのだった。

引きつった、蒼い彼女の顔は、鏡の中で笑いかけてくる。

「長く見とれ過ぎよ」と鏡の中の少女が言うと…

彼女は、鏡の中に自分が居る事に気が付いた。
「お願い、助けて、出してぇ!」

「じゃぁねぇ〜」と鏡の中の彼女が部屋を去ると、彼女の姿も消えてしまった。

如何でございましたでしょうか。
次の、お客様は貴方かも知れません。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 亜樹 」さんの小説

もっと見る

SFの新着小説

もっと見る

[PR]
アプリDLで稼ぐ!
“Point Income”


▲ページトップ