ブレイン?
そうか。それが
「こいつの名称か。」
ムービーをながす。
「俺はこいつを恨んでいてな。しかもなぜかこいつは俺と遊びたいそうだ。」
彩香は、もう一度俺の全身をくまなく見る。
「嘘はついていないようね。なら、なんであたしを探してたの?」
「それは・・・・・・」
プルルルル!
突然、俺の携帯がなる。
哲史からだ。
「もしもし。」
「もしもしじゃないっすよ! プラザ万葉についても兄貴いないじゃないっすか! どこいるんです!?」
でけぇ声だ。
怒ってるみたいだな。
「ワリィ。さっき少女と会った。今から言う場所にきてくれ。」
まったく。
騒がしいくてたまらんな。
プラザ万葉の人込みのなか、ブレインと呼ばれる人物はいた。
そして、その目はさっきまで藤村賢をとらえていた。
ここまでは大方予想通り。
唯一予想と異なった点は、由城彩香を見つけるのが早かったことだ。
騙しの技術、頭のキレは、衰えてないようだ。
これなら作戦に支障はない。
衰えていた場合の計画は破棄してもよさそうだ。
これで藤村賢はあそこに行くだろうな。
さあ、俺の手の平で遊ばれていろ。
早く貴様と会いたいものだ。
笑みを浮べながら、ブレインは人込みから、中央区から出ていった。
「なるほどね。」
彩香は哲史のメモを見て、状況を確認したようだ。
「どう思う。」
こいつなら、俺と同じ考えにたどりつけるだろう。
「そうね。この場所に行くには、あたしが必要だわ。正確には・・・・・・」
「兄貴!」
周りの偵察をしていた哲史がこっちにきた。
「近付いてくるやつは、いないっす。」
「そうか。」
哲史が言うならそうやんだろう。
「ところで兄貴。なんで彩香さんがプラザ万葉にいるとわかったんですか?」
ああ、それか。
とりあえず、その前に。
彩香が手紙をだしてくる。
「これを見せろって言うんでしょう。」
話が早くて助かるな。
彩香もなんらかの方法で覆面・・・・・・いやブレインから連絡を受けているはず。
そして、その意味を常に確認できるようにそれを、俺たちのようにメモするなどの方法で持ち歩いているはずだ。
手紙を受け取り、読む。