夜遅く、一人で歩いてた。
ふらふらと。
気分は最悪だった。
死のうか?
それもいいかもな。
ちくしょう。
そんな度胸もないくせに、なにが死のうだ。
自傷ぎみに笑いながら、自分の家に帰る。
電気もつけずに、ベッドに横になる。
そして、目を閉じた。
そして、眠りについてしまった。
自分の空しさを、弱さを、そして、最低さを思いながら。
「う〜ん。」
朝日が顔にあたり、目を覚ました。
昨日はカーテンも締めずに寝たのか。
こんなときでも人間は寝れるんだな。
ああ、そうだ。
昨日の事件のことで警察に行かなきゃいけないんだった。
一緒に俺も逮捕してくれたらいいのに。
俺みたいなただのチンピラはそんな価値もないか。
服を着替え、ゆっくりと家の扉を開けた。
「―――っ!」
信じられない。
信じたくない。
こんな、こんなことって!
ガツガツガツ。
なにかを食っている。
ガツガツガツ。
なにかが食っている。
ガツガツガツ。
それは人ではないのか?
ガツガツガツ。
お前はなんなんだ?
扉の外は地獄だった。
大きさは2mぐらいだろうか。
体は熊のようで、顔は蛇のようだった。
それが人間を食っている。
なんなんだよ、この光景は!?
夢なのか?
俺はまだ起きてないのか?
ビチャ
俺の顔に温かくて赤い液体がかかった。
感覚がある。
現実だ。
逃げたかった。
しかし、逃げられなかった。
怖くて、恐怖で足がうごかないから。
恐怖で目を逸らすこともできない。
だから、俺は化物の食事を見ているしかなかった。
「おぇぇぇぇ。」
その光景に堪えきれず嘔吐した。
その音に反応したのか、食事が終わったからなのかわからないが、化物が顔を俺のほうに向ける。
そして―――\r
「ガーーー!」
俺に飛び掛かってきた。
死ぬ。
殺される。
あれみたいに食われる。
嫌だ。イヤだ。イヤダ。いやだ。
そんなことを思っても、けして体は動かない。
まるで地面に足を縫い付けられたようだ。
たとえ動けたとしてもこいつから逃げきれる気はしない。
俺はここで―――\r
パン!
銃声と共に、俺に襲いかかってきたなにかが横に吹っ飛ぶ。
しかし、たいした傷もないようで、すぐに立ち上がった。