ベローナまで
ロエナとふたりきりドライブだ
灰色のボロワーゲンは
乾いた排気音と共に走り出した
すぐに山間を縫うような高速道路に入いる
イタリアの秋 紅葉も見てとれる が 勇司は ロエナの瞳しか見ていない
それほど 夢中なのだが
何とか ただただ 日本人に興味があるから
付き合ったのではなく 個人としての有りのままの自分を理解して欲しいと願っていた
道車中は ラジオしかなく勇司がわからないそぶりを見せるのでロエナは すぐに ラジオを消した
『私はSANTAの黒い瞳と声が好きなのよ・・・日本語を話して・・・ジャパニーズファンタジーストーリー』
イタリア語と下手な英語で 彼女はリクエストした
勇司は
それならばと 赤ずきん や 浦島太郎 カチカチ山・・・
日本語で語りつつ 伝わらないイタリア語や英語を交え 身振り手振りで 話して見せる
それが 何とか 伝わるから面白くて仕方がなかった
勇司の気が少し軽くなった
彼女も青い眼をキラキラさせて楽しんでくれてるのを感じたからだ
(続く)