エリザベスドール(19)

ぐうりんぼ  2008-08-11投稿
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その後、簡単な聴取を済ませるとモグレ警部は帰った。

ルークは憮然とした表情で警部を見送った。

「ルーク」

シェリーがやって来た。

「キャサリンの様子は、どう?」

「相変わらずよ。ずっと、放心状態」

「そっかァ」

暗い気分のルーク。

「警部さんとのやり取り、聞かせてもらった」

「シェリーはどう思う?」

「エリザベスと言う動く人形の事?」

「警部さん、信用してくれなくて。頭に来るよ」

「あんな超常現象、信じろって言う方が無理かもよ。自分の目で確かめないと、納得しないと思う」

「…」

「安心して、私は信じてるから」

「でもシェリーはまだ、人形が動いているところを見てないだろう?」

「実は昔、似たような現象を目の当たりにした事があるのよ」

「え? あるの?」

「私が3歳の頃だったかな? 隣街の古い人形館に遊びに行った時、誰もいない展示室で1体の人形が踊っているのを見た事があるの」

「ヘェ、怖くなかったかい?」

「別に怖くなかった。
タネも仕掛けもなくて、本当に生きているみたいに動いていたから、不思議だったわねェ。
ね、エリザベスの写真か何か、持ってる?」

「写メなら、あるけど」

「見せてくれる?」

ルークはケータイを取り出すと、データフォルダーを開いた。

「コレだよ」

画面に見入るシェリー。

「似てるわね」

「似てるの?」

「衣装も何もかもソックリ。その人形の名前は知らないけど、姿形はウリふたつよ」

「あの人形、A骨董屋に置かれる前は行方不明になっていたみたいだから多分、シェリーが見た人形はエリザベスだよ」

「もしそうだったら、もう一度…会ってみたいわね」

「会ってもイイけどォ、凄く危険だよ」

「キャサリンを殺そうとしたから?」

「それだけじゃない。あの人形は…」


つづく

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