手が届きそうな距離にいるのに無償に遠く感じる時がある
いつものように眠い朝
相変わらず貴方のことばかりで眠れない
そんなに日は経っていないのに長く感じる
職場の電話が鳴る
不意に時間が止まる
聞き覚えのある声
突然の貴方の移動を知らされた
何かが変わる
違う職場の同じ部署
忘れるしかないと諦めかけた想いが沸き上がる
貴方の嬉しそうな声
名乗る前に私の声に気付いてくれた
また勘違いをしてもいいのかなって頬が熱くなる
何気ない会話
お互いの少し照れた声
やっぱり貴方を忘れない
伸ばした手が少しだけ貴方の元へ届いたような気がした
顔も忘れたから会いたい
声を聞けば目の前で貴方を見たい
毎日聞ける訳でもない貴方の声を忘れないように懸命に心に刻んだ
これからもっと二人の距離が近付くことを
ただただ祈った
受話器を置いた後
手が震えていた
今日からまた貴方のせいで眠れなくなる