奈央と出会えたから。<192>

麻呂  2008-08-12投稿
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* * * * * *

今日で2度目の聖人の家――



初めて来た時は、まだ秋だった。



―“斉藤”――



そう、



1階が大家さんの“斉藤さん”の家で、


2階が聖人の家。





『あんま緊張すんなって。バカな親父だからよ。んな気ぃ遣うコトねぇから。』


『うん。』



聖人は、そう言うケド、



やっぱ初対面だもん。



緊張するよぉ。





『親父ぃ!!奈央、連れて来たぜ。』





ドッキィーンッッ☆




ま‥聖人、声大きいってばっっ!!



一瞬目を瞑ってしままったあたしは、



目を開くと同時に、


初対面の挨拶☆第一声――





『木下 奈央です!!は、初めましてっっ!!』





―予想外だった――


目の前にいる素敵な男性は、聖人のお父さん?!



その黒髪はオールバックで、しっかり固められていて、



浅黒く焼けたその顔は、なかなかのハンサム。



でもやっぱり親子。


聖人に何処となく似ている。



座っていたから身長はハッキリ分からなかったケド、



恐らくは、聖人と同じ位高いのだと思える程、



肩幅が広く、ガッチリした体格に見えた。





『こちらこそ初めまして。聖人の父親の聖司です。

聖人から、奈央ちゃんのお噂は、かねがね聞いとります。

奈央ちゃん、えらく可愛い方なんで、ビックリしましたわ。』





うっそぉ。



聖人のお父さん、



超カッコイイじゃん。



でも少し、関西弁混じってる?!



もっと“オジサン”をイメージしてたから、



あたしの思い描いてた“お父さんキャラ”とは、



あまりにも大きく懸け離れていた聖人のお父さんに、



あたしは本当に、凄く驚いたんだ。



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