お姫さまは言いました。
どうか彼を助けてください。でなければ私は、隣の国の王子さまと、結婚などはいたしません。
王様は怒って言いました。
お前などは娘じゃない。どこへなりと行くがいい。
城を追い出されたお姫さま。その隣には道化師が申し訳なく佇みます。
お姫さまは道化師に言いました。
今までの私は姫という役を演じる道化師でした。
嘘の笑顔を顔に描いて一生おどける運命でした。
それをあなたが変えてくれたのです。
あなたは私に本当の笑顔をくれました。
あなたは世界で一番の道化師です。
お姫さまのために道化師はこれからも1人きりのサーカスをつづけます。
世界で一番大好きな笑顔を絶やさないために。
おわり