その日江戸城は大騒ぎだった。
と言うのも突然ミント黄門が将軍の元を訪れたからなのだ。
ミント黄門は先の副将軍で親戚筋なわけだから訪問したっていいんだけど、人気番組を持つ世直しドッキリ爺さんでもある。
「……そっちかも……」 と警戒されても仕方ない。
「ミント黄門とな?」
大奥でミント黄門来訪を聞いてヤマシイとこありまくりのマリ餡ころ網は嫌〜な汗をかいていた。
「いかにも。なんでも下働きの女中の噂では少し前にお銅とか申す女忍びが大奥を探っていたとの報告もあり間違いなく世直しドッキリのためではないかと思われます」
側近の言葉で青ざめる餡ころ網。
「……増える膳屋は来ておるのか?」
「本日はまだですが」
「では急ぎ人を向けてたもれ。増える膳屋がここにいてはマズイ。隠匿せよ」
「かしこまりました」
大奥では増える膳屋の痕跡を消すための大掃除が始まった。
〈つづく〉