「キャサリン!?」
驚くルーク。
耳元にキャサリンの声無き声がした。
─ルーク! ルーク!
行かないで! アナタと別れたくない!─
「ヒュー♪」
近くで様子を見ていたシェリーは思わずニヤリと微笑んだ。
放心状態になっても、キャサリンの魂がルークへの思いを強めている事をシェリーは実感したのだ。
シェリーはルークに言う。
「キャサリンとサヨナラするなんて、まーだ早いんじゃないの?」
────────
街を見下ろす小高い丘の上に建つ大きな屋敷。
キャサリンのクラスメートの1人…フレデリカ・アンドリューの邸宅。
丁度、学校帰りのスージー・アクロス、ヘレン・カプリス、ルナ・ライヤーたち友人が遊びに来ていた。
賑やかな4人が集まれば、お喋りに花が咲くのだが…、フレデリカの様子が変である。
ムスッとした表情でコーヒーを飲んでいるフレデリカ。
ヘレンは以前から気になる質問をしてみた。
「いったいどうしたのフレデリカ? ココんとこ、やけに不機嫌じゃない」
「あら、ヘレンは何も知らないの?」
横から言ったのはスージーだ。
「エ?」
スージーに振り向いたヘレン。
「フレデリカはね、キャサリンの事で頭に来ているのよ」
「頭に来ている?」
「ずっと前から恋心を抱いているルーク・ハリーを、キャサリンに取られてしまったからよ」
「フレデリカって、ルークの事…好きだったの?」
ルナが説明する。
「今まで何回も、ルークに交際求めたらしいわよ。でも良い返事をもらった事は1度もなかったみたいね」
「あまり、相手にされなかった。そうだよねフレデリカ?」
スージーの質問にフレデリカはうなづく。
「うん、そうよ」
「そう、それは悲劇ねェ」
同情するヘレンだが、ふと気になった。
「フレデリカは確か…、
つづく