奈央と出会えたから。<193>

麻呂  2008-08-14投稿
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あたしは、リビングのソファーに腰を掛けた。



聖人のお父さんは、あたしが来る直前まで飲んでいたらしく、



テーブルの上には、焼酎の瓶と、グラス、



焼酎を割る、番茶が置かれていた。





『聖人。お前、奈央ちゃんに茶くらい出さんかい!!

さ、奈央ちゃん。

なまら汚い所やけど、ゆっくりしてってな。』



『あ‥‥は、はいっっ。ありがとうございますっっ!!』





ぷ‥‥ぷぷ。



北海道弁と関西弁のコラボですか。





『親父。まだその変な関西弁抜けねぇのかよ。おかしいぜ。そのしゃべり。

なっ?!奈央?!』




ぷぷぷ‥‥‥。



や‥‥やだ。



あたし‥‥。



ツボにハマっちゃったかも‥‥‥。



どうしよっっ。



あたしは必死に笑いたいのを堪えたんだ。





『お、おい。何笑ってんだよ?!奈央。』





聖人は、いいからあっち行って!!



聖人のお父さんに笑ってるのバレちゃうじゃん。





『うちの親父は、元々神戸の人間だからな。

もう小樽に移り住んで15年も経つのに、てんで関西弁が抜けねぇでやんの。

ほい。ミルクティー。』



聖人は、あたしに暖かいミルクティーを入れてくれた。



そっか。そうだったよね。



聖人の家に初めて来たトキ、



聖人のお父さんとお母さんの“恋の話”、



聖人から、いっぱいいっぱい聞いたんだ‥‥あたし。



『聖人。お前、親の俺にそんな、馬鹿にした口利いて、ただで済むと思とんか?!』



聖人のお父さん、酔ってるのかな。



でも、見たカンジ、そんなに酔ってる風には見えなかったんだけど。



『何だよ。しゃべりが変だから変だって言って悪ぃかよ?!
いちいちうっせーよ!!』



嫌だ。親子ゲンカが始まっちゃったよ。


気まずい〜〜!!





『奈央ちゃん。コイツ10歳まで寝小便しとったんやで。』


聖人のお父さんが、ニヤニヤしながらあたしに言った。



『こ‥‥このっっ。よっ余計なコトを‥‥。くそ親父っっ!!』



『ハハハハハ。お前が悪いんじゃ。

親を茶化しやがるから。』



聖人のお父さんは笑ってるケド、



聖人は黙っちゃった。

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