鳳凰刀の纏う雷が弾け、両者が吹き飛ぶ。アスカは華麗に着地したが、レンは尻から落ちた。
鳳凰刀は、バチバチと音を立てている。
「ケツいてぇぇぇ!!」
【落ち着け!レン!敵を見ろ!……まぁ敵ではないが…】
「すっげぇ雷…」
「これで互角かな?」
アスカは鳳凰刀に寄りかかっている。鳳凰刀は太刀に近いのだからかなり長い。アスカが十分寄りかかれる長さなのだ。
「…行くぞ!狗斬!」
【おう!】
「行くよ…鳳凰!」
【あぁ…】
「「はっ!」」
再び、鳳凰刀と狗斬がぶつかり合う。先程優勢だったレンもアスカの力に負け、押されていく。しかしレンも負けまいと根性で押し返す。互角の戦い。レンの顔からは笑みが消えていた。だが、アスカは笑っている。
「悪いな♪少年♪」
「えっ?」
「……弾け!」
アスカの言葉と共に、再び鳳凰刀の雷が弾けた。レンは吹っ飛んだが、アスカは平然とたたずんでいる。その時の勢いで、レンの手から狗斬が外れ、アスカの下へ飛んでいった。アスカはそれをキャッチし、
「今度こそ…俺の勝ちだな♪」
とレンに言った。
レンは仰向け状態で空を見つめながら、
「……負けた……」
と呟いた。
完全な、レンの敗北だった。