「は〜〜疲れた…」
レンは起き上がると、背伸びをし、アスカから狗斬を受け取った。
【負ける程悔しいことはない…】
「…すまん」
【…この話しは後だ…来るぞ!】
「は?」
「少年!跳べぇぇぇぇぇ!」
レンは何が何だかよく分からなかったが、その場の気配を察し、8mほど進んでいたアスカの方へ跳んだ。
その瞬間だった。さっきまでレンのいた地面が消し飛び、煙が上がる。
それを見たレンの背中に冷たいものが走る。
レンはアスカの下へ走り、アスカと並んだ。
アスカが煙、異様な程までの殺気に武器を構える。
レンも、煙の向こうに潜むモノに構えた。
やがて煙が晴れ、殺気を放つモノの正体が明らかになった。
蒼き炎の飛竜、蒼炎竜。口からは炎が漏れている。それも、蒼色の。
「…逃げ…」
【…れないぞ…アスカ
「やっぱ倒すしかないか…」
アスカは鳳凰刀を鞘に収めると、抜刀の体勢に入った。
「…行くぞ!少年!」
「はい!」
「…何で敬語なの?」
「俺に勝った奴は尊敬できるから」
「…どうも」
アスカは抜刀の体勢のまま、レンは狗斬をダガーのように構え、蒼炎竜へと走り出した。
それを見た蒼炎竜は雄叫びを上げ、火球を放った。