『心配だわ』 咳込む娘の声を聞いていられなかった。一刻でも早く歌恋のそばに行き看病をしたかった。 『大丈夫だよ。私だって医者の卵だし、あとは咳だけだから』 そう、歌恋は医大生なのだ。夫の龍吾と長男の隼人は国会議員で、次男の渓吾は新聞記者、長女の愛留は医者で次女の歌恋と三男の爽吾は医大生だ。 『そう。何かあったらすぐ電話するのよ』 一刻でも早く行きたい気持ちを込めて言った。 『ありがとう。ママ』 そして二人共、電話を切り真咲は恋桜のそばへ、歌恋はベッドにもぐった。
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