真は相変わらず自室につくとベットに身を投げる。
ふわふわのベットに身体が沈んで行く瞬間が真は不思議と安堵を感じる。
シャワーを浴びてさっぱりしたい気持ちになりながらもそのまままどろみの中に落ちていった。
桑原と大神はその頃自室で久方ぶりの再会に話しを弾ませていた。
「相変わらず酒の量は減ってないみたいですね。」
「そういう堅は砂糖の量は減ったみたいね。けっこう、けっこう。」
二人は桑原はビールを、大神はコーヒーを口に含ませる。
「慣れってやつですね。今だブラックでは飲めませんが…」
「いいんじゃない?一時期の砂糖10個も入れてたコーヒーよりは健康的じゃない。」
そういいながら使われなかった机のガムシロップの山を見て桑原は微笑みを浮かべる。
「それはそうと…315…神崎でしたっけ。彼は右腕のみの覚醒なんですか?」
大神は真剣な表情に戻ると桑原に疑問を聞いてみる。
「ん…。彼の力は主に雷の系統みたいだけど、変態が見られるのは右だけね。力の放出自体は両手足みたいな末端部分から放出できるみたいだけどね」
「あのボードは?」
「あれは彼の力が雷だったからね。電気信号で様々な変化を付けれる液体金属よ。それこそ乗り物から武器までね。」
「ふむ…。」
話しを聞くとなにやら大神は考えこむ…。
「するってと彼の力は穴だらけっとことですね…。」
「そうなるわね。パンドラのエージェント相手ならさして苦労はしないでしょうけどね。」
「楽観論ですね。彼の力が電気というのはすぐにバレるでしょうからある程度知識がある者相手だと厳しいでしょう。」
「それはそうだけど…」
頭を抱える桑原の前で大神は懐からマルボロを取り出すと口にくわえ火をつける。
「下の修練場は使えますかい?」
ニヤリと笑いながらそう聞いた。
「もちろん使えるわ。真君を鍛えるんなら楽しいわよ。あの子渇いたスポンジみたいにどんどん救出していくから。」
「そりゃ楽しみだ。出来ることならスポンジじゃなくて砂であってくれりゃ言うことナシだけどな。」
「スポンジじゃいけない?」
「スポンジは限界があるからな。砂なら限界無く吸ってくれるだろ?」
「あぁ、なるほど」
「んじゃ、軽くシャワー浴びてもう一汗かいて来るわ」
そう言って大神はシャワールームへ消えて行った。