山本は睨みつけ、大きく溜息をつき
「刑事さんは、私が犯人だと、おっしゃりたいのかしら?桂早苗は……私の姉は病でなくなったんです。」
「山本さん、警察を甘く見てもらっては困る、警察はね、何班にも分かれ、高山県警にも協力してもらってるんですよ、あなたのお姉さんは病ではない自殺されたんだ。」
ここまで言うと山本は黙りこんだ。
「川畑さん〜、中入れるそうですよ。準備整いました。」
植山の声がする。
私達は山本を連れ、仏さん……いゃ、遺体の確認を急いだ。
あまりにも残虐なやり方で確認しようも なかなか見る事さえも難しいのだが……。
「あの………。」
山本が口を開く。
「明美に違いありません……手術の後がありますから……。」
? ?
この状態で何故、桂明美と言えるのだ。
手術? 盲腸の後らしき物が確かにある。
念のため、桂明美の入院も調べた。何より我々が驚いたのは 重要参考人として指名手配をした山中敦が桂明美の産みの親、すなわち早苗の不倫相手である事も分かっている。
問題は由美だ。戸籍には名前がない、しかし高山県警が高山市内で聞き込みをしている、どうやら、由美は実在しているのだ。