第三話、蘇る兵器
清美等の前に立ちはだかった魔物を消滅させた女性。清美等は彼女を知っていた。
「白(ホワイト)様!」
清美等は女性の名を言った。
第參最高女神白(だいさんさいこうにょしんホワイト)、猫空世界の神。
普段は吉元志乃(よしもとしの)と名乗っている。
志乃もまた、白い鎧を纏い、戦っていた。
「白様、よく見れば、戦神力解放形態じゃないですか!」
清美が志乃の鎧を見て叫んだ。
戦神力解放形態とは、志乃の鎧の最強形態で、他にもこの形態をもつ鎧があるらしい。
つまり、神である志乃が全力で対処しなければならないという非常事態なのだ。
「色々と話したい処だけど、今は川上公園に急ぎましょう」
そう言って志乃は川上公園へと飛んでいった。
「ほ、白様!」
清美等も志乃に続いて川上公園へと飛んでいった。
川上公園には本来は無い巨大な物体があった。
その物体の色は黒く、禍々しい。高さは公園の敷地内にある猫空タワーの百メートルを超えていた。
「何これ!?」
清美等八人は、それ以外の言葉が出なかった。
事態は最悪のようだ。
「ん、あそこ!」
光が黒い物体の下の方を指差す、そこに人が三人いた。
清美等は三人のうち二人は知っていた。
一人目は最高神神明(さいこうしんしんめい)こと吉元明(よしもとあきら)。志乃の従兄弟だ。
二人目は、金元真美(かねもとまみ)。そして三人目は?
清美等は志乃と共に、明に駆け寄る。
「明さん、真美」
「神明様、金元さん」
志乃と清美が明と真美に声を掛ける。
「志乃、飛んでも世界の出演者達」
清美等の事をその一言で明は片付けた。
「神明様、そりゃないですよ!」
進美と陽子が反論した。「皆さん」
真美が清美等八人の方を見た。
「真美、何があったの?それに、後ろの人は誰?」
由理香が真美に尋ねた。「この人は、闇邪神皇殿(あんじゃしんこうでん)私の義兄よ」
「えゑゑゑゑゑゑゑゑゑ!」
清美等は絶叫した。
闇邪神皇殿とは、最高神神明と、闇正神黴菌(あんせいしんばいきん)の二柱と対立する邪神で、清美等も名前だけは知っていた。そして、真美が皇殿の妻闇邪女神元帥(あんじゃにょしんげんすい)の妹だという事も知っていた。
だが、皇殿本人に会うことになるとは。
しかし、明と皇殿は戦ってはいない。だが皇殿は傷を負っていた。
その答は何と上から聞こえてきた。