怖い表情で部屋に入って来たディック。
いきなり、フレデリカの頬をバシーン!
「フレデリカ!」
「何んで、アンタがウチへ来たのよッ!?」
「うるさいッ! 今夜の俺とのデートに来れないってオメェが言うからよ、来てみたらコレだッ!」
ルークが起きると、ディックは間髪を入れず殴り飛ばした。
慌ててフレデリカが止めに入る。
「チョット、乱暴はやめてよッ!」
「おいルーク! キャサリンと付き合っていながらテメェ、俺の女に手を出すとはどう言うつもりだッ!?」
「僕はただ、彼女に呼ばれて来ただけだッ!」
「ウソを付けッ!」
「本当だよ! フレデリカが僕の誕生日を祝ってあげるからって言うから、来ただけだッ!」
「ルークの言う通りよ!」
一緒に釈明するフレデリカにディックは指差して怒鳴る。
「フレデリカは黙ってろッ! 俺はコイツに聞いてんだッ!」
「僕はやましい事は、何もやっちゃいない!
このキチガイ野郎、変な思い違いをするなッ!」
「テメェ、誰に向かってそんなセリフ言ってるんだ!?」
ルークはクールな笑みを浮かべる。
「暴力振るう事しか能が無い君にだよ」
「んだとォッ!?」
ディックは狂ったように、ルークをボコボコに殴り続けた。
その様子を窓の外から誰か見ている。
顔中アザだらけで、床に倒れているルーク。
「く、くっそォ!」
体を震わせながら、ゆっくりと起き上がってディックを睨み付ける。
ディックはルークに近寄って指を差した。
「とっとと失せろ人殺し野郎めッ! 今度又、フレデリカに近付きやったらテメェ、二度と学校に来られなくしてやるからな、覚えておけッ!」
「…」
ルークは何も言わず、部屋を出て行った。
床にはプレゼントの品物が放置されている。
「全くアンタって暴力振るう事しか能がないのッ!?」
「コレが俺の、やり方何だよ!」
「ケダモノォッ!」
「イイかフレデリカ!?
二度と浮気すんじゃねーぞッ!?」
「…」
憮然とした表情で何も言わないフレデリカ。
「黙ってないで、返事しろいッ!」
「!?」
ディックの後ろに視線を向けたフレデリカが体を震わせた。
「ふれでりかァッ!」
「ディック…、後ろ…」
「あーん? 何だよ?」
後ろを振り返ったディック。
そこに!
つづく