神田 直人(かんだ なおと)は大学に受かり、すぐさま一人暮らしを始めた。
駅から徒歩五分、日当たりもいいし、通学にも便利。
なのに、家賃がなんと、月5000円ポッキリ。
明らかに曰く付きの物件である。
しかし、神田は生活が出来れば何でもよかった。
そして303号室に越してきて初めての夜。
真新しいソファーの上で薄いタオルケットをかけて寝ていた。
ふと目が覚め時計を見ると、3時33分。
少し怖くなった神田はそのまま目をつむり寝ようとした。
すると何かが顔に当たった。
最初は気のせいかと思っていたが、くすぐったくて目を開けた。
神田は後悔した。
目を開けなければよかった。
神田が見たものは白い和服を着た、女性である。
顔は長い前髪のせいで見えず、神田の顔を覗いている。
顔に当たっていたのは前髪である。
「うわあああああ!」
神田は絶叫しながら、立ち上がった。
すると、女は神田に近寄ってきた。
神田は部屋の中を逃げ回る。
女はそれを追いかける。
奇妙な追いかけっこが繰り広げられている。
神田は威を決して勝負に出た。
昔から習っていた空手の成果を見せた。
振り返り、女に足払いをした。
すると、女は見事に転んだ。
神田は怒りに身をまかせ、女の尻を思い切り蹴った。
「・・・あん」
女の口から声が漏れた。
予想外の反応に驚いた神田は追撃出来なかった。
しばらくすると、震えた声で女が言った。
「・・・も、もっと・・・」
一瞬しらけた。
「はぁ?」